本論文では、急速に変化する社会のニーズに対応し、イノベーションを推進する人材を育成することの重要性を踏まえ、特定の業種を対象としない専門職大学における産学協働の仕事統合型教育の有効性を検証する。2020年4月に開学した開志専門職大学の情報学部において、コロナ禍中に実施した情報学分野では日本初の試みである超長期の仕事統合型教育プログラム、臨地実務実習(企業実習)を事例として取り上げ、この教育プログラムが産業界の要請に適合した学生の問題解決能力、創造性、コミュニケーション能力等、イノベーションに必要な様々な能力の向上に寄与する可能性を明らかにする。また、さらに教育効果を高めるための課題と展望を述べる。