2024 年 2 巻 p. 47-62
本研究は、新潟の第二地方銀行である大光銀行の顧客戦略と顧客が求める銀行へのニーズとの整合性について調査する。S-Dロジックの文脈価値を理論基盤とし、銀行と顧客間の価値共創が実現されているかを明らかにする。そのために、新潟在住の顧客へインタビュー調査を実施し、調査結果に基づく文脈およびKH Coderによる頻出語および共起ネットワーク分析による解釈を通じて、顧客ニーズが銀行の顧客戦略へ反映され、価値が生み出されているかの整合性の評価に基づく考察を行う。本研究は、地方銀行における顧客戦略と顧客ニーズの整合性を明らかにすることによる実践的意義、およびS-Dロジックにおける文脈価値への理論貢献としての学術的意義を持つ。