医療
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心房中隔欠損症に縦隔洞腫瘍を伴つた1治験例
仲村 保広並川 和男中村 良昭河野 秀親永吉 正和緒方 和郎田上 正昭
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1977 年 31 巻 1 号 p. 54-58

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抄録
心疾患を過去に指摘され, 前胸部痛と心拡大を心配して来院した25才の男子を精査したところ, 心房中隔欠損症(ASD)に前縦隔洞腫瘍を合併していることが判つた. 腫瘍は心エコー図(UCG)によるとCystであつたが, 腫瘤陰影が急激に増大するので, 同一術野から一期的に, 腫瘤摘出と中隔欠損孔の閉鎖とを行つた. 腫瘤は13×9×5cm, 重さ380gの奇形腫であり, 割面の性状はUCG所見とよく一致していた. なお組織学的には悪性像は認められなかつた.
この症例の診断過程において, UCGは極めて有益であつたので報告する. なおASDに前縦隔洞腫瘍を伴つた例も稀有なものと思われる.
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© 一般社団法人国立医療学会
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