抄録
7才, 女児にみられたExtralobar pulmonary sequestrationの1手術例を報告した.
本症は新生児・乳児に多いとされているが, 本邦では我々の症例が手術例では最年少例である.
本症の手術症例のうち術前診断のついている例はごくわずかであり, 最近, 本症の確定診断に逆行性大動脈造影の重要性が強調されている.
本症は肺の先天性疾患の中でもまれなものとされているが, 新生児・乳児のRespiratory distressの原因疾患として注意が必要であり, 左胸腔内に境界鮮明な腫瘤陰影をみれば本症を疑う必要があると思われる.