医療
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バセドウ病手術症例の検討
高松 脩浅井 伴衛正来 恭定渡辺 騏七郎
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1977 年 31 巻 11 号 p. 1275-1278

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抄録
当院外科における最近5年9ヵ月間のバセドウ病手術症例36例のうち6ヵ月以上経過を観察した32例について検討した.
(1)男性13例(平均29才), 女子19例(平均23才)で最年少は14才女子, 最高53才男子であつた.
(2)手術に至つた理由は治療期間の短縮が21例と多く, 次いで妊娠希望が5例を占めた.
(3)全例に甲状腺亜全剔切除を行い残存甲状腺重量は両側に各3~5gとした.
(4)手術時間は平均1時間32分, 出血量は平均267mlであつた. 麻酔は全麻で行われ, Neuroleptanalgesiaが23例と多かつた. 切除甲状腺は平均72gで, 4例に濾胞状腺腫, 1例に乳頭状癌の合併をみた.
(5)一過性副甲状腺機能低下と術後反応を1例みているほかは合併症はなかつた.
(6)1年以上経過した30例の術後成績は28例93.3%治癒の好成績をえている.
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© 一般社団法人国立医療学会
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