抄録
原発性アルドステロン症2例と続発性アルドステロン症1例を経験した. 原発性アルドステロン症の1例は, 術前各種検査を受け, 右副腎腫瘍の存在が指摘されたが, 手術により, 両側副腎に腫瘍が発見された. 現在, 本症は希な疾患ではないが, 術前におけるその診断, 殊に, 腫瘍の局在診断は必ずしも容易ではなく, 今後さらに診断技術の進歩が待たれる. また本症例は, 出産後1ヵ月以内に発症したと思われる興味ある症例であり, 本症の増悪因子として, Estrogen, Progesteron, Prolactinなどのホルモンが関与している可能性が示唆された.