医療
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重症筋無力症と環境温度
武上 俊彦岡本 進
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1977 年 31 巻 8 号 p. 775-778

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抄録

重症筋無力症患者34例において, 筋無力症状に対する環境温度の影響牲を検討する目的で, アンケート調査, または面接法により, 環境温度の変化に伴う症状の変動性を調査し, 且つ2例において誘発筋電図検査による精査を行つた. 34例中30例 (88%) に環境温度の影響が認められ, すなわち筋脱力は, 高温環境下に増強し, 低温環境下に改善する傾向を示した. M波誘発筋電図によつても, 本症の神経筋伝達過程における局所的な温度変化の影響が認められ, すなわち筋肉内温度の上昇に従い, 低頻度反復刺激法にてMyasthenic decreme就はより明らかになつた. その機構として, 加温により, 運動神経末端部におけるアセチルコリン遊離の減少, またはアセチルコリン受容器における感受性の低下が推定された. 重症筋無力症患者におけるこのような現象は, 本症患者の診断. 並びに看護上, 有意義な示唆を与えると考えられる.

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