医療
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国立療養所10施設におけるペースメーカー植込みの現況
木村 道生
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1979 年 33 巻 1 号 p. 55-59

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抄録
国立療養所循環器研究会では所属する10施設について昭和45年9月より51年12月末日までのペースメーカー植込み症例をアンケート調査した. 症例数は153例, 植込み手術は238件, 最多植込み回数は4回であつた. 初回植込みに関しては平均年令60才, 男女差なく, 適応症は完全房室プロツク(55.6%)を主とする徐脈性不整脈であつた. ヒス束心電図は34例(22.2%)に検討され, AHプロツクが19例あつた. 植込み前の体外式ペーシングは77.1%に施行されている. 心内膜電極は77.1%にみられ, 単極のそれは54.2%を占めた. パルスゼネレーターは主としてデマンド型で, 次第にリチウム電池式が増加している. PMに関連するトラブルは電池の早期消耗絶縁不良や電極の断線などであつた. PMと直接関連した死亡は3例(1.96%)で, 心室細動で2名, 敗血症で1名を失つている. 他に15名の死亡があるが, 死因は成人病であつた.
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