医療
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脊髄損傷患者の性の実態調査
蜂須 賀研二野町 昭三郎浅葉 義一
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1979 年 33 巻 5 号 p. 514-517

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抄録

国立療養所村山病院, 国立塩原温泉病院に入院した脊髄損傷患者50名(男性40名, 女性10名)に対し, 性に関する面接調査を施行した. 男性では70%に勃起を, 20%に射精を認める. 麻痺のタイプでは, 勃起:上位完全麻痺>不全麻痺>下位完全麻痺, 射精:下全麻痺>下位完全麻痺>上位完全麻痺, の関係が認められる. 月経は閉経に達していない女性全員に存在する. 性生活に関心のあるものは78%, 愛情, 結婚生活を願つているものは80%であるが, 性生活を希望するものは男性78%, 女性40%と性別による違いを認める. 子供をつくりたいものは7名, 性生活の指導をうけたいものは26名いる. 脊髄損傷のリハビリテーシヨンの一分野として, 性機能障害にアプローチをこころみる必要がある.

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© 一般社団法人国立医療学会
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