抄録
国立病院, 療養所の細胞診の現状および問題点を知るためにアンケート調査を行つた. 院内にスクリーナーのいる施設は, 国立病院22施設(37%), 療養所17施設(20%)と少なく, 指導医のいる施設はさらに少ない. 年間の細胞診検体数が1000検体以上の施設が多く, 呼吸器のみの検体が3000検体を越える施設が療養所に5施設もみられる. また気管支鏡下擦過細胞診が多くの施設で行われており, 今後ますます細胞診の重要性は増すものと思われる. 当院においても細胞診による肺癌の診断率は91%に達している. しかし, 今回のアンケート調査でも多くの施設でスクリーナーの不足を訴えており, 早急に細胞診検査体制の確立, とくにスクリーナーの養成に各施設の努力はもちろんのこと, 国の適切な対策が望まれる.