医療
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肺癌の細胞診
―国立病院, 国立療養所の細胞診の現状と問題点, 及び国立療養所東京病院の肺癌診断における細胞診の現状について―
小松 彦太郎上野 喜三郎米田 良蔵石原 尚
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1983 年 37 巻 11 号 p. 1075-1080

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抄録
国立病院, 療養所の細胞診の現状および問題点を知るためにアンケート調査を行つた. 院内にスクリーナーのいる施設は, 国立病院22施設(37%), 療養所17施設(20%)と少なく, 指導医のいる施設はさらに少ない. 年間の細胞診検体数が1000検体以上の施設が多く, 呼吸器のみの検体が3000検体を越える施設が療養所に5施設もみられる. また気管支鏡下擦過細胞診が多くの施設で行われており, 今後ますます細胞診の重要性は増すものと思われる. 当院においても細胞診による肺癌の診断率は91%に達している. しかし, 今回のアンケート調査でも多くの施設でスクリーナーの不足を訴えており, 早急に細胞診検査体制の確立, とくにスクリーナーの養成に各施設の努力はもちろんのこと, 国の適切な対策が望まれる.
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© 一般社団法人国立医療学会
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