医療
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新しいアンジオテンシン変換酵素活性測定キットの有用性の検討
上田 英之助富野 郁子前倉 亮治
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1984 年 38 巻 6 号 p. 588-592

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抄録

新しく開発されたアンジオテンシン変換酵素(ACE)活性測定キツトを, 血清及び精製したACEを用いて検討した. 本法はACE活性の高いサルコイドーシス患者血清でも, 2時間以上反応は直線性を有し, 又, 精製酵素を用いた場合, 血清の20倍以上の酵素活性まで反応は直線性を示していた. 同一検体を従来のCushman法と比較した場合, Y=0.84X+1.4, r=0.933と非常に良い相関を示した(Y: 本法によるACE値, X: Cushman法によるACR値).
本法は以下の点で従来の方法より非常にすぐれている. (1)操作過程が少なく, 且つ簡単で短時間で測定が終了する. 従来のCushman法に比して所要時間は4分の1ですむ. (2)誤差が少なく, 且つ再現性に富む. (3)同一キツトであるので, 全国共通の値が得られる. (4)従来の方法で測定した値と十分換算出来る.
以上本法は非常にすぐれた方法で, Cushman法に代わり用いられる方法と考える.

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