抄録
目的:炎症性腸疾患への免疫遺伝学的関与を検討するために, 潰瘍性大腸炎(以下「UC」), クローン病(以下「CD」), 腸結核(以下「TB」)患者におけるHLA抗原を調べた.
対象:国立岩国病院において精査・治療されたUCの重症型4例, CD2例, TB1例の計7例を対象とした.
方法:HLAのA, B, C抗原のtypingをNIH標準法に基づき, ヘキストジヤパンKK(東京)販売の「HLA-A, B, CプレートHS」のキツトを用いて行つた.
成績:UCの4例については, AW24, CW3を3例に, またAllとB52を2例にみとめた. CDの2例については, CW3が両者にみられたにとどまつた. TBの1例ではAW24をみとめた.
結論:UCにおいては, AW24, CW3, All, BW52が重要と思われた. CDについては, CW3以外には関連性をみなかつた. 今後, 症例を重ねて検索したい