医療
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内視鏡的に切除しえた有茎性十二指腸ブルンネル腺腫の1例
渡辺 博史安原 高士河野 宏佐々木 俊輔荒木 文雄萩原 秀紀日名 一誠岩野 英二三宅 周
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1985 年 39 巻 10 号 p. 870-872

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抄録
著者らは, 十二指腸球部に原発した有茎性ブルンネル腺腫の1例を経験し, 内複鏡的に切除しえたので, 若干の文献的考察を加えて報告する.
患者は61才の男性で, 自覚症はなく, 胃透視上偶然異常をみつけられた. 入院時の諸検査では, 異常を認めなかつた. ERCPおよび内視鏡検査にて, 十二指腸球部に有茎性のポリープを認め, これを内視鏡的に切除(ポリペクトミー)した. 切除したポリープは15×13×12mm, 茎5mmの大きさであり, 病理組織学的にはブルンネル腺腫であつた.
十二指腸に発生する良性腫瘍は, 十二指腸原発の癌よりもまれである. このうち, ブルンネル腺腫は最多を占め, 文献的には1979年までに347例報告されている. しかし, 十二指腸病変でポリペクトミー可能症例は, 1983年1月までに38例が報告されているにすぎない. 今後の内視鏡検査の普及および技術の向上に伴い, 増加していくことが期待される.
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© 一般社団法人国立医療学会
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