医療
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90才台の高令者の頭顔部に生じた皮膚有棘細胞癌の2例
山嵜 雄一郎木花 いつみ籏野 倫
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1986 年 40 巻 12 号 p. 1152-1155

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抄録
最近当科で経験した高令者の頭顔部皮膚有棘細胞癌の2例を報告し, 若干の文献的考察を加えた. 症例は第1例が92才の男子の頭頂部の腫瘤であり, 部位的に全摘が可能であつたが, 入院中にS状結腸癌の合併が判明した. 第2例は96才の女子の鼻根部の腫瘤であつたが, 非観血的な治療を施行するも十分な効果をあげることができず, 治療中途で死亡した.
1975~84年の10年間に本邦で有棘細胞癌285例が報告されているが, 90才以上の症例は8例であつた. これらは頭頸部に生ずることが多く, 基礎病変としてはsenile keratosisが多かつた.
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© 一般社団法人国立医療学会
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