1987 年 41 巻 2 号 p. 171-176
スピロノラクトン製剤の市販5銘柄について, バイオアベイラビリテイ試験と溶出試験により品質を検討した. 5銘柄の製品のバイオアベイラビリテイは40名の健康人を用いて, 血漿中カンレノン濃度より求めた. また, 5銘柄の製品の溶出試験はパドル法を用い, 「日局10」崩壊試験法第一液(pH 1.2)を溶出液として37±0.5℃, 100回転にて実施した. その結果, 溶出試験及びバイオアベイラビリテイ試験, いずれも製品間の差を認めた. さらに, in vitroの溶出試験の結果とin vivoのバイオアベイラビリテイの結果に相関が認められた.それは, 血漿中カンレノン濃度での血中濃度曲線下面積(AUC)と60分溶出時間での溶出率との間に高い椙関(r=+0.961)が認められた. さらに, 最高血中濃度(Cmax)と10分溶出時間での溶出率との間にも同様に高い相関(r=+0.915)が得られた.