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国立善通寺病院外科における食道癌手術症例の検討
吉田 冲矢毛石 陽三深田 義夫津田 洋乾 浩三吉田 修河田 健介大浦 正博
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1988 年 42 巻 12 号 p. 1168-1169

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抄録

昭和52年4月以降の11年間に国立善通寺病院外科で手術をした食道癌症例は33例で, 男26例, 女7例, 年令は平均64.3才で最高令は82才であつた. 主訴は, 進行癌が多い関係で嚥下困難もしくは通過障害が大多数を占め, 病悩期間は1~3ヵ月が多かつた. 占居部位はImが19例と最も多く, X線的, 内視鏡的には進行癌の所見を呈していた. ただし2例は表面隆起型の所見を認め, 組織的にmm癌, ep癌の早期癌であつた. stage分類ではStage III~IVが23例を占めていた. 手術術式では胃管を用いた再建が24例と最も多く, 経路は胸壁前再建が13例で最も多く行われている. 手術死亡は5例である. 耐術者の予後は不良で, 現在1年以上生存例中の3例を除き全例3年以内に死亡している. 3例に同時性重複癌(舌癌, 胃癌, 肝癌)の合併を認めた. 食道静脈瘤に食道癌を合併した1例は骨転移が早く予後が極めて悪かつた.

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