医療
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母乳栄養児に生じた腸性肢端皮膚炎
斉藤 昭金丸 哲山
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1988 年 42 巻 12 号 p. 1179-1182

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抄録
症例は満期正常分娩5ヵ月男児. 生後3ヵ月ころより, 顔面, 両頬部に辺縁軽度隆起するびらん性の紅斑が出現, その後, 下痢, 脱毛を伴い, 陰股部, 四肢末端と拡大した. 血液検査にて, 血清亜鉛値15μg/dl, アルカリフオスフアターゼ値77IU/lと低値を示したため腸性肢端皮膚炎と診断.
治療は硫酸亜鉛30mgを1日量として内服療法を行い, 患部には20%亜鉛華単軟膏貼布を行つた. 約1週間にて皮疹は乾燥治癒傾向を示し, 脱毛も改善した. 家族, 同胞内に同症なく, 内服中止後も再発を認めないため, 母乳栄養児に生じた続発性腸性肢端皮膚炎と診断した.
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