医療
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コレスチラミン投与糖尿病患者に対する服薬指導の有用性について
小竹 武角井 義昌荒川 正己脇 昌子
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1989 年 43 巻 4 号 p. 492-495

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抄録
降コレステロール剤であるコレスチラミンは血糖コントロール改善作用をも有し, 高コレステロール血症を合併する糖尿病患者に対しては特に有用と考えられる. しかし陰イオン交換樹脂製剤であるコレスチラミンの特性上, 服薬のコンプライアンスが不良で薬効が明らかでない場合も多い. そこで我々は5人の糖尿病患者に個別にコレスチラミン服薬指導を行い本剤に対する認識を高め確実な服薬を図つた. その指導の効果を服薬調査票における服薬率とともに血糖, グリコヘモグロビン, 血清脂質などの血液検査により評価した. その結果, 服薬表による服薬率は指導前35%から指導後95%に改善した. また3例では指導後血糖コントロール, 血清脂質の改善がみられた. 以上よりコレスチラミン服薬指導は服薬コンプライアンスを改善しコレスチラミンの血糖コントロール改善作用や降コレステロール作用を高めたり, 薬剤効果を的確に評価する上で有用であると考えられた.
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© 一般社団法人国立医療学会
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