医療
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多種類の薬剤による中毒性表皮壊死症と薬剤性肝障害の1例
佐々木 俊輔丸谷 盛雄杉山 明川口 憲二安原 高士三宅 周尾上 公昭河野 宏佐藤 仁吾黒瀬 和子
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1989 年 43 巻 4 号 p. 487-491

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抄録
交通事故による骨折を契機に消炎鎮痛剤, 抗生物質など6種の薬剤投与後に, 中毒性表皮壊死症と肝内胆汁うつ滞を発症した1例を経験したので報告する. 症例は23才の女性で, aspirin, sulindac, serratia peptidase, sulpyrine, 総合感冒剤のPGとmidecamycinの投与を受けたところ発熱, 咽頭痛, 肝機能異常と顕著なリンパ球減少がみられ入院した. 腹部, 背部, 四肢など広範囲に表皮剥離を生じ肝機能も増悪したがステロイドの投与により軽快した, リンパ球幼若化試験では6種すべての薬剤が陽性であつた. 腹腔鏡下肝生検では肝内胆汁うつ滞, ないし胆汁うつ滞型肝炎の所見がみられ, 胆肝系酵素の異常は発症後1年7ヵ月持続した.
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© 一般社団法人国立医療学会
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