医療
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術後10年以上経過した小児開心術後のQuality of life
馬場 尚道草場 英介松尾 和彦山内 秀人柴田 隆一郎渡辺 良子
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キーワード: 開心術, 先天性心疾患
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1990 年 44 巻 2 号 p. 120-124

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抄録

昭和44~52年間に施行された小児開心術症例に現在の日常生活でのquality of lifeに関するアンケート調査を行い, 130例(83%)から回答を得た.
1.130人の回答を右心系圧負荷群25例, 右心系量負荷群44例, 左心系負荷群61例の3群に分け, quality of lifeの分析を試みた.
2. 全身状態, 自覚症状, 就職, 結婚生活などで患者がほぼ満足している結果を得たが, 自覚症状や, 運動制限は重症度の高いTOFなどの右心系圧負荷群に多くみられた.
3. 術後10年以上経過し, 思春期に達した女性患者には手術創への関心が強く, 過半数以上が傷跡が気になると回答した. 心臓外科医は手術創への配慮とケロイド予防対策に強い関心をもつべきことを痛感した.

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