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CT所見よりみた原発性橋出血の臨床像
高橋 慎一郎園部 真甲州 啓二藤井 康伸林 央周野村 耕章
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キーワード: 橋出血
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1990 年 44 巻 2 号 p. 125-129

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抄録

1985年1月から1988年3月までに経験した原発性橋出血32例を対象に, CT上の血腫のtypeとoutcomeとの相関及びstereotactic surgeryの適応について検討した. 男23例, 女9例であり, 年令は34才から85才まで平均55.4才である. 橋出血のCT所見は(1)massive type(13例), (2)basistegmentum type(7例), (3)tegmentum type(12例)に分類した. outcomeはADLで判定した. massive type 13例は全例死亡である. basis tegmentum typeはbilatの5例は2例が死亡, 3例がvegetative, unilatの2例は1例がADL III, 1例が唯一の手術症例であるが結局死亡している. tegmentum typeはADL Iが5例, ADL IIIが4例, ADL IIIが2例ときわめて良好である. これらの結果から, 原発性橋出血はmassive typeの最重症例から社会復帰をみたtegmentum type(12例中5例)の軽症例までさまざまであるが, その手術適応に関しては否定的な見解をとらざるを得なかつた.

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