医療
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外来統計にみる摂食障害の近年の動向
高木 洲一郎成田 洋夫畠山 秀丸女屋 光基伊藤 洸今坂 康志長谷川 祥子宮田 正子
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1990 年 44 巻 2 号 p. 153-158

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抄録

(1) 昭和60年までの14年間に慶大精神神経科を初診した摂食障害患者数の年度別推移をみると, 本症は年々増加傾向にあり, 14年間で約9倍に増加した. また全初診患者中に占める割合はこの間に0.2%から2.6%まで増加した. (2) 昭和60年に同科を初診した女性患者中に占める本症患者の割合は, 本症の好発年令帯である15才~24才の女性では, 女性初診患者の12.5%と極めて大きな比率を占めていた. また本症は若い女性に圧倒的に多いが, 15才~24才で77.4%までを占めていた. (3) 昭和60年1月に開設した慶大摂食障害専門外来では, 3年間で114例に上る症例を扱つた. 本外来に対するニードは非常に高い. (4) 昭和61年2月から1年間に東二精神科で扱つた摂食障害54例の内訳は, 神経性食欲不振症24例, 過食症30例で, 過食症が神経性食欲不振症を上回つた. 入院必要例は, 神経性食欲不振症では全体の6割弱に及ぶが, 過食症でば3割以下と, 大きな差がみられた.

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