医療
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Buerger病の1例
野口 俊彦金丸 哲山竹尾 貞徳前川 宗一郎吉田 康洋池尻 公二
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1990 年 44 巻 2 号 p. 163-166

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抄録

右手第3指のみに発症したBuerger病を経験した. 症例は60才, 男性. 職業, 船大工. 喫煙, 1日60本. 30年間. 初診約3カ月前より右第3指, 指尖に疼痛あり. 1カ月前, ガラス片が刺さり, 破片除去するも軽快せず, 当科受診となる. 初診時, 右第3指指尖に, 安静時拍動性の疼痛を伴う米粒大の血痂を認め, その周囲に, 暗赤色浮腫性の腫脹がみられた. 触診にて, 右尺骨動脈の拍動は触知できなかつた. 動脈造影にても, 右尺骨動脈は造影されず, Buerger病と診断した. プロスタグランデインE1持続点滴療法, 局所には軟膏塗布を行いデブリードマンを頻回に施行したところ, 徐々に軽快した.
Buerger病の潰瘍の発生部位は, 最近の報告では約80%を下肢が占め, 本例のごとく上肢では比較的少ない. 本例は, プロスタグランデインE1持続点滴療法により軽快し得たが, 再発増悪時には, 外科的治療法も考慮して, 経過を追つていきたいと考えている.

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© 一般社団法人国立医療学会
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