201T1心筋SPECTの運動負荷にTETを用いた24例(以下「TET群」)と, ergometerを用いた24例(以下「Ergo群」)を同時期に行つた冠動脈造影所見を対照として比較検討した. 負荷は, TETはSHEFFIELD法, ergometerは25 watts 3分毎多段階漸増法で行い, SPECT虚血部位評価は視覚判定とwash out rate (以下「WOR」)を用い, 視覚判定はshort axis, sagital, horizontalの3方向を用いLAD, LCx, RCAにて評価した. WORはshort axis (apex, middle, basal)正常下限より低い部位を陽性とし, それぞれLAD, LCx, RCAにて評価した.
以上の結果を同時期に行なつた冠動脈造影所見を対照としてsensitivityとspecificityを算出した. TET群SPECT視覚判定におけるsensitivityは77.8%, specificityは95.8%, WORでは各々78.2%, 85.7%. Ergo群SPECT視覚判定では各々77.2%, 88.9%, WORは各々62.5%, 92.1%であり, 両群間で視覚判定は大差なかつたがWORではsensitivityはTET群が高くspecificityはTET群が低かつた.