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肺にのみ著明な血管炎をみた悪性関節リウマチの1剖検例
井出 哲沢辺 宏長谷川 眞紀山田 昭夫中村 博吉沢 久嘉三上 理一郎浅尾 武士
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1990 年 44 巻 8 号 p. 810-813

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抄録

肺動脈にのみ著明な閉塞性動脈内膜炎の所見を認めた悪性関節リウマチの1剖検例を経験した. 症例は42才女性で, 主訴は呼吸困難, 体重減少であつた. 昭和54年に多発性関節炎を発症し, RAと診断されて, 55年当院を初診した. 初診時すでにRAはstage IVで胸部X線写真にて両上肺野に線状粒状影を認めた. 消炎鎮痛剤, D-ペニシラミンにて治療し関節症状はほぼ固定していたが, 胸部変化は徐々に進行して, 62年6月入院した. 入院後一時状態改善をみたが, 呼吸不全が徐々に進行し, 同年10月死亡した. 剖検では, 両側胸膜の線維性癒着, 胸膜下嚢胞, 器質化肺炎と肺動脈の小及び細動脈支に閉塞性動脈内膜炎を認め, 肺内にnoduleも認めた. 肺以外の臓器にはほとんど動脈炎は認められなかつた.

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