医療
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高血圧および脳卒中後遺症における血圧日内変動とその要因について
久保 進本多 恵中尾 さゆり増永 康子藤田 紀代中富 昌夫
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1992 年 46 巻 5 号 p. 353-357

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抄録
入院患者23名(高血圧8名, 脳卒中後遺症9名, 及び寝たきり6名)の血圧日内変動とその要因について検討した. 高血圧群では朝と夕方に血圧が上昇する2峰性の日内変動がみられ, 脳卒中後遺症群ではこれに加えてリハビリ中に血圧上昇がみられた. 寝たきり群では一定の日内変動パターンは見られなかった. 血圧を上昇させる要因として, 高血圧や脳卒中群では食事, 排尿, 喫煙, 精神的ストレス, リハビリなどであった. 寝たきり群では, 気管内吸引や体交などの医療行為が主であった. 血圧低下の要因としては安静, 降圧薬, 食後などであった. 通常病棟で測定される午前10時の血圧と24時間平均値とは有意の正相関がみられたが, 相関係数はあまり高くなく(r=0.67, p<0.1), 必ずしも1日の平均値を代表しているとはいえなかった.
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© 一般社団法人国立医療学会
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