医療
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Kearns-Sayre症候群の不全型の1例
谷口 謙西村 康八木 祐吏上西 囹宏
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1992 年 46 巻 8 号 p. 644-647

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抄録

我々は, 眼瞼下垂, 両外眼筋麻痺, 知能低下, 脳波異常などの臨床症状を示し, 筋生検のGomoriトリクローム染色変法などで多数のragged red fibersを認め, 電顕上多数の異常ミトコンドリアを認めたKearns-Sayer症候群(以下KSSと略す)の不全型と考えられる症例を経験した. 本症例は, 16歳時より両側眼瞼下垂, 外眼筋麻痺, 知能低下をきたし, 上肢帯, 下肢帯の軽度の筋力低下を認めたがKSSの3主徴のうち心伝導ブロック及び網膜色素変性を欠くため, KSSの不全型とするか, 慢性進行性外眼筋麻痺(以下CPEOと略す)とするか意見のわかれるところである. しかし, 最近の遣伝子レベルの研究の文献的考察からKSSの不全型とする方がより妥当であると考えた.

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© 一般社団法人国立医療学会
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