1992 年 46 巻 8 号 p. 648-653
我々は透明中隔を中心とした腫瘍3例を経験しTranscallosal approachにて手術を行った. しかし同法による手術の問題として, 傍矢状静脈の損傷による出血性梗塞の報告も見られるため手術をするにあたってMRI sagittal sectionおよび脳血管撮影静脈相の検討を行った. それによりvenousentry zoneと手術側を決め, 術中傍矢状静脈を温存し, 十分広い視野で腫瘍摘出が可能であった. しかし, 側脳室体部におよぶ巨大な腫瘍の場合, (特に体部外側に付着している場合)剥離中, 上衣下損傷を生じる可能性があることを銘記しておかなければならない.