医療
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極小未熟児の発達障害とMRI所見について
福田 邦明遠藤 彰一合田 友子太田 明秋田 裕司古川 正強
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キーワード: 極小未熟児, 発達障害
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1994 年 48 巻 8 号 p. 581-586

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抄録
極小未熟児の発達障害の発生頻度, 危険因子, 及びMRI所見について検討した. 5年以上発達外来にて経過観察できた極小未熟児73例(男児35例, 女児38例)を対象とした. この内6例(8.2%)に脳性麻痺(痙性両下肢麻痺3例, 痙性四肢麻痺2例, アテトーゼ型四肢麻痺1例), 6例(8.2%)に精神遅滞を認めた. 新生児期の危険因子の検討では脳性麻痺群, 精神遅滞群ともに正常群に比べ脳室内出血, 人工呼吸管理の頻度が高く, 精神遅滞群は未熟児網膜症の合併が多かった. MRI検査ではT2強調像にて7例中3例に脳室周囲に高信号域を認めた. O-M lineと平行に撮像したT1強調像の中軸断を用いて側脳室の前角幅, 大脳最大横径, 後頭葉最小白質幅を計測した. 脳性麻痺児, 精神遅滞児ともに大脳最大横径, 後頭葉最小白質幅が正常対照群と比べ著明に小さく, 津守稲毛式DQと有意な相関関係を認めた.
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© 一般社団法人国立医療学会
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