医療
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成人急性白血病29例の治療成績
竹内 誠玉置 明彦谷本 安岡田 千春多田 敦彦河原 伸三島 康男宗田 良高橋 清木畑 正義
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1996 年 50 巻 4 号 p. 279-283

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抄録
1990年から1995年9月までに当科で初回寛解導入療法を施行した急性白血病全症例29例の治療成績を検討した. 年齢14~82歳 (中央値58歳), 内訳はAML21例, ALL8例. 完全寛解率は29例中25例, 86.2%(AMLは21例中18例, 85.7%, ALLは8例中7例, 87.5%, 65歳以上の高齢者は13例中10例, 76.9%, 65未満の非高齢者は16例中15例, 93.7%)であった. 全症例の5年予想生存率は30. 7%. 全CR例の5年予想無病生存率は33.9%(AML32.4%, ALL62.5%, 65歳以上では17.9%, 65未満では46.4%, 1コースでCRに到達した症例では49.5%, 2コース以上を要した症例では28.6%)であった. 急性白血病は強力な化学療法により長期生存, 治癒が期待できるが, 高齢者に対しては治療成績は不良であり, 治療体系の再検討が必要である.
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© 一般社団法人国立医療学会
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