医療
Online ISSN : 1884-8729
Print ISSN : 0021-1699
ISSN-L : 0021-1699
筋強直性ジストロフィーの予後と死因
松岡 幸彦小長谷 正明斎藤 由扶子
著者情報
ジャーナル フリー

1996 年 50 巻 8 号 p. 547-550

詳細
抄録

全国調査により, 筋強直性ジストロフィーの死亡例80例を集計した. 予後, 死因を解析し, 本症の対症療法, ケアのあり方を考察した. 対象の内訳は男性48例, 女性32例. 先天型10例, 非先天型70例であった. 死亡年齢は先天型が12. 6±19. 0歳, 非先天型が55. 1±10. 2歳, 両方を合わせると49. 6±18. 3歳であった. 死因では, 呼吸器感染症・呼吸不全が57%と過半数を占めた. 誤嚥・窒息と不整脈・心不全がそれぞれ約10%で, 合併症・偶発症は約13%であった. このほか原因不明の突然死が約10%にみられた. 末期においては, 誤嚥防止のケアが最も重要であると考えられた. また, 突然死は比較的若年者にも起こっていたところから, これを予防することができれば, 長期かつQOLの高い延命が図れるものと考えられた. そのためには, どのような定期検査を行うかというような指針を作成することが今後必要である.

著者関連情報
© 一般社団法人国立医療学会
前の記事 次の記事
feedback
Top