国立呉病院形成外科は平成6年7月開設以来, 1年6ヵ月が経過し, その間当科で経験した一期的乳房再建症例は31例となった. その内訳は, 横軸腹直筋皮弁が17例, 広背筋皮弁が7例, 縦軸腹直筋皮弁が4例, 広背筋皮弁+生食バッグが1例, 縦軸腹直筋皮弁+血管吻合1例, 遊離横軸腹直筋皮弁1例であった. 今回, 再建症例について検討し, 考察を加えた.
当科における乳房再建術式の基本方針としては, 乳房温存療法を行った症例では広背筋皮弁, 非定型的乳房切除術後は横軸型腹直筋皮弁, 定型的または拡大乳房切除術後は縦軸型腹直筋皮弁を使用している. その結果, ほぼ満足する結果が得られた. 一期的乳房再建手術の利点についてもう少し啓蒙し, 再建症例に関する適応が明確にされれば, 今後ますます普及するものと考えられた.
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