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慢性期脳血栓症のvon Willebrand factor 活性におよぼす抗血小板薬の効果
相澤 仁志森田 一豊山口 修二南 宏明佐々木 信博飛世 克之
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1997 年 51 巻 3 号 p. 111-115

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抄録

慢性期脳血栓症における血管内皮障害指標におよぼす抗血小板薬の効果を検討した. 対象は慢性期脳血栓症患者で, 抗血小板薬未投与時とアスピリン81mg/日またはチクロピジン200mg/日を4週間投与後に, 血管内皮障害の指標の一つである血漿von Willebrand factor活性(vWF)を固定血小板凝集法で測定した.
血漿vWFは抗血小板薬未投与の脳血栓症でコントロールに比べ高値を示し, 血管内皮障害の存在が示唆された. この血漿vWFの上昇はアスピリン81mg/日またはチクロピジン200mg/日の投与により抑制された. したがって抗血小板薬は脳血栓症患者における血管内皮障害の進展を抑制する可能性が示唆された.

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