1998 年 52 巻 4 号 p. 253-256
Percutaneous transvenous mitral commissurotomy:経皮経静脈的僧帽弁交連切開術(以下PTMC)は僧帽弁狭窄症の治療法として, 比較的侵襲が少なく, 高い治療効果が得られる反面, 術後の弁閉鎖不全のため新たな治療が必要になる場合がある. 今回我々は, 僧帽弁狭窄(以下MS)に対しPTMC施行後症状の改善を得られたが, 僧帽弁閉鎖不全(以下MR)が発症し, 長期経過観察中, 心不全となった症例に対し僧帽弁置換術(以下MVR)を行い良好な治療結果を得られた. PTMC施行に際しては, 心エコーなどでの充分な精査が必要であり, PTMCの侵襲の少なさや簡便さを重視するだけでなく, 特に弁下病変の強いものなどは, 僧帽弁置換術の可能性も充分考慮しなければならない.