抄録
気管支喘息の疾患概念および治療方針はこの十年足らずの間に急激に変化した. これは喘息の病態の本質がそれまでの「気管支平滑筋収縮」から「気道粘膜の炎症」に移行したためであり, これに呼応して強力な抗炎症作用を有する吸入ステロイド剤による治療が成人における喘息治療の中心となり, これを広く啓蒙するために国際的および日本のガイドラインが次々と作成されている. しかし, この数年, ステロイド剤治療にも抵抗性の難治性喘息の気流閉塞の原因として, 気道粘膜組織の構造変化である「リモデリング」が非常に注目を浴びている. 本稿では, これまでの気道粘膜構成細胞に関する筆者の研究を紹介しながら, 気管支喘息における気道傷害後の治癒過程での正常修復と, 不全治癒と考えられる気道リモデリングについて概説する.