医療
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PCRによるMycoplasma pneumoniaeの検出法の開発
―敏感度・特異度の向上を目指して―
原 幸子林美 恵子今関 ひろみ大谷 一三宅 和夫松下 幸生高橋 久雄樋口 進村松 太郎
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キーワード: 16SリボソームRNA
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1999 年 53 巻 6 号 p. 387-391

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抄録
ヒトにマイコプラズマ肺炎をおこす病原微生物であるMycoplasma pneumoniae(以下M. pneumoninae)は, 培養がむずかしく時間もかかり, 診断は血清学的検査に頼っているのが現状である. 小児では時に髄膜炎や脳炎をおこすことがあり, M. pneumoninae感染症を迅速に診断することは, 無用な抗生剤の投与を防ぐ意味でも大変重要である. 今回, われわれはnested PCR法にてM. pneumoniaeの検出を試みた. nested PCR法には, 菌数がかなり少量でも検出できるという利点があるが, 非特異反応もおこりやすくなる. われわれは特異性をあげるためにM. pneumoniaeの細胞中に多数存在する16 SrRNAをコードするDNA部分(可変領域)を増幅させるプライマーを開発し, これを新たに加えることでM. pneumoniaeの2ヵ所の部分を増幅することができた. これらは特異性, 感度ともに十分満足ゆくものであった. 本nested PCR法は1日あれば結果を出すことができ, 迅速診断として実用的と考えた
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© 一般社団法人国立医療学会
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