医療
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アレルゲンとしてのキウィフルーツ蛋白質の性状解析
田中 和子富川 盛光飯倉 洋治赤澤 晃斉藤 博久
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1999 年 53 巻 6 号 p. 392-397

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抄録
キウィフルーツ摂取によりI型アレルギー症状を呈した9名の患者血清を用い, キウィフルーツ主要抗原の同定とcharacterizationを行った.
キウィフルーツより抽出した粗抗原を用いたimmunoblot法により, 患者血清全例と反応する30KDのキウィフルーツ蛋白質を確認した. この蛋白質を硫安塩析とHPLCによるゲルろ過クロマログラフィーにより精製し, αカゼインに添加し37℃で反応後, αカゼインの変化をSDS-PAGEにより検討した.
その結果, αカゼインのバンドは経時的に分解され消失した. このことより, キウィフルーツ30KD抗原は蛋白分解能を有する蛋白分解酵素である可能性が示唆された.
この性質は食肉軟化剤や消化剤への利用が可能であり, 食物として摂取される場合のほかにも隠れたアレルゲンとしての注意が必要と思われる
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© 一般社団法人国立医療学会
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