抄録
総胆管結石による閉塞性黄疸, 胆管炎を認めた高齢者と併存疾患を有する5例に対し, 内視鏡的乳頭バルーン拡張術と胆道ステント留置による一期的保存的治療を施行し, その治療成績を検討した. 5例全例とも胆道ステント挿入により症状や臨床検査所見はすみやかに軽快した. 4例はステント留置のまま11-18ヵ月観察しているが, ステントは開存し経過は良好で, 1例は胃癌手術時に結石除去術を行い胆道ステントを除去した. 合併症としてステントの総胆管内迷入を1例に認めたが, ほかに重篤なものはなく, 逆行性感染や遺残結石による胆管炎, 膵炎も認めなかった. 胆道ステント留置法は結石陥頓による閉塞性黄疸, 胆管炎という危険な状態を回避することを目的とした治療法で, 手技的に簡便で重篤な合併症はなく長期成績も良好であった. 総胆管結石の完全除去が困難な症例や治療の長期化により全身状態への悪影響が懸念される症例に対し, 低侵襲で有用な治療法である.