医療
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神経難病病棟における簡易懸濁法の有益性
―調剤・薬セット時間の効率化と経済効果に関する検討―
山本 吉章野口 祥紀石田 奈津子中神 育代舟木 弘堀部 千治饗場 郁子
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2008 年 62 巻 7 号 p. 394-399

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抄録
背景:簡易懸濁法は錠剤やカプセル剤を粉砕した際におこりうる光や吸湿による薬効低減, 薬品のロスを回避できる有用な手段であるものの, その普及率は低い. 本研究は簡易懸濁法の普及率の向上を目的とし, 具体的なアウトカムの算出を試みた.
方法:粉砕法と簡易懸濁法による調剤, 配薬セット業務の必要時間を算出した. さらに, この2種類の方法を行った場合の薬剤費と調剤コストの表算出, および投与中止薬剤の再利用率を調査し, 経済効果を比較した.
結果:定期内服薬2週間分を粉砕法で調剤すると患者1人あたり平均8.6分の時間を必要としたのに対し, 簡易懸濁法の調剤時間は3.7分であった. 配薬セット時間は粉砕法で患者1人あたり6.2分必要としたのに対し, 簡易懸濁法は3.2分と大きく短縮された. 2週間あたりの調剤コストは粉砕法17,053円に対し簡易懸濁法は5,646円であった. また, 簡易懸濁法は中止薬剤の86.4%が再利用可能であったのに対し, 粉砕法は7.5%であった.
結論:簡易懸濁法は調剤・配薬セット業務の効率化, 医療資源の有効利用, コスト削減に有用であることが明らかになった. ここで得られた簡易懸濁法の有益性を医療スタッフに提示し, 本法を普及していきたいと考える.
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© 一般社団法人国立医療学会
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