抄録
[目的] 静止立位からの振り出し脚の違いが,歩行開始時の運動戦略にどのような影響を与えるかを検討すること. [対象と方法] 若年者21名を対象とした.利き足の判別は質問表を用いて行った.測定課題は,静止立位からの歩行開始として,利き足あるいは非利き足からの振り出し脚の2条件を設定した.三次元動作解析装置(VICON)と床反力計を用いて床反力,関節モーメントを分析して運動戦略への影響を検討した. [結果] 利き足は全員が右であった.利き足からの歩行では非利き足からの歩行と比較して,振り出し脚および支持脚股関節屈曲モーメント,床反力左右成分に有意な差が認められた.[結語] 利き足と非利き足の機能の差により,静止立位からの歩行における運動戦略へ影響が生じることが示唆された.