抄録
[目的]マインドフルネストレーニング(MT)としてのヨガの実践がマインドワンダリング(MW)及び感情・気分に及ぼす影響について検討した. [対象と方法] 健常な女子専門学校生8名を対象に,呼吸や身体感覚に意識を向ける教示を取り入れながら30分間のヨガを実施し,介入前後で脈拍数,静座瞑想中のMWの回数,緊張覚醒(TA)を測定し比較した. [結果] ヨガの介入前に比べて介入後ではMW回数の減少とTAスコアの低下が有意であり(P<0.05),介入前後の変化率の関係では,MWの回数とTAスコアにおいて強い正の相関が認められた(r=0.77,P<0.05). [結語] 短時間のヨガの実践が注意制御機能の向上を生じさせ,MWの減少をもたらし,不安感や緊張感などネガティブな感情を低下させる可能性が示唆された.