日本画像学会誌
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論文
帯電制御剤の存在状態と非磁性一成分帯電量
高橋 徳明安藤 修横竹 一郎阿部 由紀西本 枝理奈
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2000 年 39 巻 2 号 p. 103-112

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抄録
帯電制御剤(CCA),バインダーポリマーおよび着色剤を混練し,得られたフレークを粉砕分級することによりトナーは製造される.トナー製造工程の途中で得られる上記フレークの破断面を電子線で走査し,CCAの構造中にのみ含まれる元素(Cl,Zn)からの特性X線強度を測定する(EPMA)ことによりフレーク破断面におけるCCAの分散状態に関する知見が得られた.
 さらにEPMAにより得られたCCAの分散性データを画像処理することにより,フレーク中に分散されたCCAの体積平均等面積円径を求めたところ,トナーの非磁性一成分帯電量との間に相関が見られ,帯電量を最大にするCCA体積平均径が存在した.
 またXPS測定から,トナー表面のCCA密度はトナー全体のCCA密度より大きいことが判った.トナー粉砕時にCCAの部分で割れたためか,トナー粉砕時に微粉砕されたCCAがトナー表面に再付着したためと考えられる.
 EPMAとXPSがトナー中およびトナー表面におけるCCAの定量的解析に有効であることを示した.
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© 2000 一般社団法人 日本画像学会
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