日本画像学会誌
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原著論文
協調視覚モデルに基づく客観的画像ノイズ評価法を用いたインクジェットプリンタのノイズ性能評価
松井 利一久保田 健一
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2006 年 45 巻 1 号 p. 11-21

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抄録

協調視覚モデルの応答から導出された濃度ムラ評価値と画点構造ノイズ評価値を特徴とする画像ノイズ評価法が既に提案され,ディジタルカラー複写機の画像ノイズ評価へ適用された.本論文では,本評価法の基本性能をさらに明確化すると同時に,画像形成方式に対する不変性を検証する為,出力解像度を変化させたインクジェットプリンタ出力画像(単色画像と色重ね画像)から両評価値を算出し,主観評価値との一致性を調べた.その結果,単色画像に対する画点構造ノイズ評価値以外は,出力解像度の増加に伴う画像ノイズ量の減少傾向が理論的に導出でき,主観評価値との相関性も高くなる(相関係数値は0.951~0.989)などの特性が明確化された.以上は,本画像ノイズ評価法がインクジェットプリンタにも基本的に適用可能であり,画像形成方式に不変な画像ノイズ評価法になり得ることを示唆する.さらに,インクジェットプリンタに必要な出力解像度は,単色均一濃度の理想的条件で3600×3600dpi以上と予想された.

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© 2006 一般社団法人 日本画像学会
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