抄録
岩石,鉱物,土壌等の地質試料の化学分析には蛍光X線分析法が一般に用いられている.最近,地質試料の微量成分分析にはICP-MSが用いられることが多いが,岩石等の主成分分析には蛍光X線分析法が標準的な手法としての地位を確立している.また微量成分元素の分析にも蛍光X線分析法が利用されており,地質系研究機関におけるその役割は大きい.産業技術総合研究所地質調査総合センターは2007年7月新たな蛍光X線分析装置(PANalytical Axios Advance Mineral)を導入し,その評価を行っている.分析手法と補正法について詳細な検討を行い,また多種の標準岩石試料の分析結果を得て,新たな分析装置とその装置を用いた分析手法の評価を実施した.その結果を報告する.