抄録
電子写真プロセスにおいて,回転する導電性ローラーによって運ばれる電荷のつくる電位分布を,精度よく容易に解析するための手法を提案した.この手法は流体解析で用いられている平滑化関数を用いた粒子法であるSPH法をベースにした.電位の方程式と連続の方程式は,粒子ではなく計算点として離散化した.この手法の静電界と伝導電流の計算における有効性を,厳密解をもつモデルで確認した.ローラー回転による電荷の移動は,計算点の移動で表した.この手法では,平滑化のため,ローラー表面の電荷がローラー表面外側にも広がって蓄積されるので,表面近傍の計算点密度を高くし,外側に広がった計算点も同時に移動させることで精度を上げた.最後に,この手法を用いてドラムとの間に電圧を印加した導電性ローラーの表面の電位分布をローラー抵抗,回転速度をパラメーターに計算しその依存性を得た.