抄録
読みやすい視覚表示媒体の実現をめざす電子ペーパーの研究の一環として,ページ概念が作業効率に及ぼす影響について調査した.ディスプレイ上で約1200字の文章について,一方はページ区切りを設けず巻物的に表示する「スクロール式」,もう一方は全文を4ページに分け1ページ毎に全面を切り替えて表示する「ページ式」の計2種類の参照方法により,被験者に読解作業をさせた.ページ式のほうがスクロール式に比べ7%好成績,解答作業時間は15%短縮され,文章の必要箇所を選んで参照しながら解答した場合には優位な作業効率となる傾向を得た.読み返しの必要な作業にはページ構成を参照の手がかりにできるページ式の特徴が有利に作用したと推測される.従って,現状のディスプレイ作業において文章理解度の低下をもたらし得る要因として,スクロール表示形式の常用が候補として抽出されたと言える.