抄録
布帛にプリントする捺染工程では従来のスクリーン捺染に比較して,短納期で少量多品種が可能なインクジェット捺染が近年用いられるようになった.布帛にインクジェットプリントする場合,紙用インクジェットプリント技術に加えて人体に対する安全性や洗濯しても色落ちしないなどの布帛固有の特質を考慮したインクジェット技術が必要である.また射出安定性を確保するため反応捺染インク,酸性捺染インクにおける染料の溶解性向上や再析出制御,さらに分散捺染インクにおける染料の沈降制御や結晶成長防止が不可欠である.本報ではこれら上記技術の取り組みと今後の見通しについて紹介する.