抄録
近年,日本において,野党に対する世論の支持は極めて低い傾向にある。とりわけ2021年衆院選では,同じ野党の中でも,伝統的なリベラル系の野党である立憲民主党は議席を減らした一方で,日本維新の会などの新しい野党は議席を大きく増やした。野党の中でも,世論の支持は大きく二分しているのである。この点について本稿では,2021年衆院選の際に,新しい仮想の野党に関するヴィネット実験を実施し,その分析を通じて,現代の日本人は,どのような野党を望ましいと考えているのかについて探索的に検討した。実験の結果,日本の世論は,非民主党系の議員で構成され,与党に融和的な政党戦略を採りつつも,リベラルな公約を示す野党を望ましいと考えていることが明らかになった。とくに日本維新の会の支持拡大は,望ましい野党像に関する世論の認識変化が背景にあると示唆される。