2012 年 51 巻 2 号 p. 191-198
インパクトプリンタの印字プロセスは,インクリボンや複写紙など色材担持体を印字媒体との間に置き,ハンマー等で刻打するという,きわめて簡単で原始的な方法であり,現在はワイヤの先端で刻打し,形成するドットの集合体により文字や図形を印字するというドットマトリックス型が主流である.
現在,さらに優れた多くの印刷プロセスが開発されているにも関わらず,複写紙を刻打する事により生成されるコピーという簡単かつ確かな原理の印字方法により,未だに伝票等印刷等の業務の需要に支えられている.その為,窓口での伝票印刷業務などを想定した,媒体ハンドリング技術や,使い勝手向上の面での技術の改良が進められている.
また本解説での技術的な説明では,その心臓部である印字ヘッド (ワイヤドットインパクトヘッド) の技術を中心に紹介する.