抄録
近年,エレクトロニクス技術の発展に伴うデジタル機器の性能向上にはめざましいものがあり,高画質 · 大容量データをオンデマンドで付加価値をつけて作像したいというニーズが増えている.様々な作像技術がある中で,熱転写記録方式が,現在もなお一定の地位を維持できているのは,作像原理が簡単で,小型化 · 低価格化が実現でき,さらに,ドライプロセスで作像できるという特徴をもっていることである.
熱転写記録方式には,昇華型熱転写記録方式と溶融型熱転写記録方式という2つの方式がある.両方式ともに,サーマルヘッドの熱量により作像するものであるが,昇華型熱記録の特徴としては,熱量に応じ染料の転写量をコントロールする濃度階調であるため階調性豊かな画像表現が可能である.一方,溶融型熱記録は,熱量により,色材を含有するバインダー層を全転写するため,耐久性が高く,細線やドットの再現性の高い画像表現が可能である.本稿では,2つの熱転写記録方式について,作像原理と特徴について解説する.